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『風土』の著者和辻哲郎には「イデエを見る眼」が備わっていたと谷川徹三氏が指摘しましたが、村上春樹もそんな力を駆使して読者を目眩くどこかへ誘ってくれそうだと私は『茶飯事とその彼方』で予測しました。果たして村上が最近発表した『騎士団長殺し』の語り手は夢を伝って妻と交わり、生まれた「子の父親はイデアとしての私であり、あるいはメタファーとしての私なのだ」と考えます。イデアもイデエも観念や理念の意味でメタファーとは象徴、暗喩のことです。村上の大きな魅力の一つは現象をありのままに捉えず独特な表現で不思議な世界像を描く所ではないでしょうか。 自他の胸中にそこはかとなく去来する無形のものに想いを馳せるのは人文科学の枢要な活動かと心得ます。繰り返す一見卑小な日常のなかで接する人や事物に掛け替えのない何かを捜し求めてときめきや温もりを感じ取ることが、悠々と満ち足りてほのぼのとした生き方に繋がるかも知れません。 |
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<内容の紹介>
マクロビオティックと出会って10年間自分のカラダと心で実験を繰り返してきた著者がついにオープンハートするまでを描いた本。
前半8章は「マクロビオティックとは食を通して五感を解放する技術である」とする著者が自身に起こる経験と内面の葛藤にひとつひとつ向き合い考察を加えていく。問題解決ではなく自身の内面の決着を目指していく過程と発見した哲学を描いた。「私のオープンハート」「マクロビオティックによるヒーリング」「美味しいは2種類ある」「人が五感で生きる意味」「七つの判断力」「選択による創造」「自分らしさ」「愛を知る」
後半の8つのストーリィはマクロビオティック哲学を小説仕立てで誰にも分かりやすく伝えている。小説「契約」「男性だったら良かったのに」「本能」「世の理」「孤独」等。
<著者紹介> オープンハート インスティチュート」主宰。マクロビオティックインストラクター。整体師、獣医師。20年以上に渡って産業動物臨床獣医師として勤務。その後、マクロビオティックのインストラクター資格を取得し、整体の勉強を始める。ベルギーにてヒーリングマクロビオティックを半年間学ぶ。食事法だけでない、マクロビオティックの哲学を伝え、食べ方を変えることで自分に触れる体験を提供している。甘い野菜のスープ普及委員会(SVSSC)委員長 |
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エッダは北欧神話、英雄伝説を記した本です。サガは9世紀から10世紀にかけて祖国ノルウェーから自由を求めてアイスランドに移住した人々の植民物語、家族物語です。
テキストはアイスランド発見、アイスランドの植民、ハラルド美髪王などのほか、民話「妖精の起源」などが入っています。
言語は古いアイスランド語です。古代ノルウェー語といっても同じです。アイスランドは氷の島、ノルウェーは北への道(norvegr)の意味です。北海道も似た感じですね。bók(ボウク)「本」、garõr(ガルズル)「庭」など英語のbook, gardenに似ていますね。このgarõrは「庭」から家、城、町の意味になり、ロシア語に借用されてLeningrad(レーニングラード、レーニンの町)やNovgorod(ノヴゴロド、新しい町)になりました。
学生時代からの夢が、このような美しい印刷と装丁で出来上がってとても嬉しいです。
(1935年東京生まれ、学習院大学名誉教授)
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人類が誕生して以来、多くの物語が紡がれてきました。物語を創った人々は、
何かを伝えたかったに違いなく、その心情を追体験することは、私たちを大きく
成長させてくれることにつながると思います。
私はこの本を通して、物語が伝えるものとして、想像力の喚起、人間の心の真実、
壮大なイメ−ジ、幸福の追求の4つを大きな柱として取り上げました。
そして、ドラえもん、アンデルセン童話、グリム童話、ギリシャ・ロ−マ神話、
宮沢賢治の作品等を通して、この4つの柱を展開しました。
きっと面白く感じて頂けると思っております。
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